医療事務は、転職先や就職する際に人気の高い職業です。
しかし、実際に医療事務の仕事をしている方の中には、
「医療事務の仕事がきつい」
「仕事を辞めたい」
と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
私が医療事務として働いていたときは、患者さんから問診票の記入を拒否されることもありました。また、月初めのレセプト業務、定期的なレセプトコンピュータのバージョンアップ作業などがあり、月に10~20時間ほどの残業をすることもありました。
この記事では、私の経験を踏まえつつ、医療事務の仕事を辞めたいと思う理由や医療事務を目指す際に大切なことを紹介します。ぜひご参考にしていただければ幸いです。
医療事務二度とやりたくない。メンタルやられる?頭良くないと無理・辞める人多いと言われる理由
医療事務は事務作業なので、残業が少ないことやワークライフバランスが取れそうと思う人も少なくありません。しかし、実際に働き始めて思った以上にきつく、辞めたいと思う方もいるようです。以下から、医療事務の仕事を辞める人が多いと言われる理由についてご紹介します。
職場の人間関係にストレスを感じてメンタルやられる
クリニックは、家族経営の小さなクリニックもあり、医師の奥さんが受付を手伝ったり、なかなか意見が言いにくかったりなど、働きにくい職場もあります。逆に大きな病院は、女性が多く働いており、人付き合いが面倒で気を遣ってしまう人もいます。
医師や看護師は、日々緊張感と集中力を必要とする業務です。そのため、きつい言葉をかけられたり、医療事務を下に見るようなものの言い方をされたりすることもあり、プレッシャーを感じることも少なくありません。
また、冬はかぜやインフルエンザが流行る時期なので、途切れなく患者さんが来院します。忙しさから、職場はピリピリとした雰囲気になり、ストレスに感じることもあります。
患者さんのクレーム対応に疲弊する
医療事務は、医師や看護師への不満や病院のクレームにも対応する必要があります。例えば、「医師の診察の対応が悪い」「待ち時間が長すぎる」などのクレームを言われることがあります。理不尽なことにも誠実に対応しないといけないため、「なぜ自分ばかり」と納得がいかない思いを感じる人もいるでしょう。
また、私の経験では患者さん側に非がある場合でも、決して否定はせずに、ひたすら謝ることもありました。中にはクレーマーの対応に追われて、自分の業務が進まず残業することになってしまうこともあります。
想像していたよりも多忙
医療事務の仕事は、「レセプト業務」「受付業務」「クラーク業務」とさまざまな業務があります。例えば、患者さんから、「今日は湿布を追加してほしい」「糖尿病治療薬の注射針がほしい」など、専門的な話をされることがあります。実際に診察、処方するのは、医療事務ではなくても、専門知識を覚えておくことで、医師、看護師、薬剤師にスムーズに伝わります。
また、診療報酬の改正は定期的に行われているため、その都度、勉強する必要があります。そのため、受付業務だけでなく、さまざまな知識や勉強が必要とされるので、負担に感じる人もいるでしょう。そのため、思っていたよりも業務量が多く、医療事務を辞めたいと考えている人もいるかと思います。さらに、患者さんの苦情の対応に追われ、接客業としての対応も必要です。
そのほか、病院によっては忙しさが負担に感じる場合もあります。「ほとんどの仕事を1人でやらなければならない」「患者さんの対応に時間を割いているため仕事が進まない」などがあり、多忙さを負担に感じるでしょう。
業務量の割に給料が安い
医療事務の給料は地域によって大きな差はありますが、平均年収は250万~350万円と言われています。初任給は20万円前後ですが、実際に働き始めると、忙しくて残業が多く給料が割に合わないと感じる人もいるようです。
専門的な知識が必要にもかかわらず、給料の安さに不満を持って医療事務を辞める人もいます。
ホワイト?楽しい?ついていけない?医療事務のやりがい
やりがいを持って仕事をすることで、仕事の満足度が増したり、ストレスが軽減されたりするなどのメリットがあります。ここからは、医療事務のやりがいについてご紹介いたします。
患者さんに感謝される
医療事務の仕事は、周りの人に感謝を言われる機会が多い仕事です。受付業務では院内を案内したり、治療が終わった際に患者さんから感謝の言葉をかけてもらえたりすることもあります。患者さんから感謝の言葉を聞くと誇りに思います。私が働いていたときは、患者さんと世間話をしたり、足が悪い患者さんに手を貸したりするだけでも、とても感謝されました。
また、医療事務は病院を円滑に運営するために欠かせない存在です。現場の医師や看護師と一緒に仕事をすることもあり、無事に仕事が終わればお礼を言われることもあるでしょう。
「ありがとう」「助かりました」などの感謝の言葉をいただくと、仕事に対するやりがいを感じられます。
医療に関する専門知識が身につく
医療事務に就職すると、今まで学んだことのない医療に関する知識を身につけられます。治療費、検査費、薬などは医療事務の仕事をしない限りわかりません。医療事務として働く前はわからなかったことが理解できることで、自分がレベルアップしていることを実感できるでしょう。
レセプト業務に欠かせない診療報酬は、医療行為ごとの算定条件が細かく設定されています。そのため、保険制度、診療報酬の仕組みを理解することが重要です。
私は、病院や調剤薬局に行くと発行してもらえる領収書や明細書を見て、「今日はあの治療を受けたから、点数が加算されている」など、診療内容と領収書の内容を照らし合わせて確認するようになりました。得られた知識が日常生活で役立つと、さらにやりがいを感じられます。
社会貢献を実感できる
医療事務は、地域や社会に貢献している実感が湧きやすい仕事です。医療事務は病院に来る患者さんを診察や治療をすることはありません。しかし、医師や看護師の仕事を事務的な面からサポートすることで、間接的に患者さんをサポートしています。
また、地域に根差した病院では、イベントや見学会の開催など、地域の方々への医療を身近に感じてもらうための活動を行っています。イベントなどの活動にスタッフとして深く関わることもあり、仕事を通して地域への貢献を実感できます。
私が働いていた職場では、地域包括支援センターの情報や体が不自由な方のためのヘルプマークの配布なども行っていました。また、訪問診療、薬の管理方法のアドバイスなどを行っており、患者さんの役に立っている実感を得られたときは、医療事務の仕事をして良かったと思う瞬間でした。
医療事務が担う受付業務、レセプト業務が滞ると、病院全体の業務が滞ってしまい、病院全体の業務もスムーズに行われなくなります。そのため、医療事務も社会貢献度の高い大切な仕事です。
未経験から医療事務になるためにやるべきこと
未経験でも医療事務の仕事に就けるチャンスがあれば、その方法を知りたいという人もいるでしょう。そこで、未経験でも医療事務になるためにやるべきことについてご紹介します。
未経験でも採用可の求人をみつける
医療事務の仕事に就くために、特に指定されている学歴、資格はありません。そのため、未経験者や無資格者でも、就職先に雇用されれば医療事務として働けます。求人を探すときは「未経験者でも採用可能」などと書かれた求人に応募しましょう。
入社後は、医療事務として知識と経験を積み、専門知識を身につけられます。
【未経験可の求人を探せるサイト】
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基本的なパソコン操作を覚える
医療事務の仕事では、パソコンを使用して作業することが多くあります。主にレセプト業務などでパソコンを使用することが多いです。また、診療報酬は、専用のレセプトコンピュータを使用します。したがって、高度なパソコンスキルはほとんど必要ありません。
しかし、医療事務の仕事は診療報酬の請求だけではありません。原則として、病院内の一般事務や医師の秘書業務を担当する場合は、ワードやエクセルなどのOfficeソフトが使える方がいいでしょう。
医療事務の資格を取得する
医療事務の資格は、民間団体や学校が主催する民間資格で、さまざまな種類があります。
代表的な資格には、
「医療事務技能審査試験」
「医療事務管理士技能認定試験」
「診療報酬請求事務能力認定試験」
「医療事務認定実務者」
などがあります。
資格の種類によって学ぶ内容や難易度は異なります。すでに就業中の人は、キャリアアップにつながる資格をとりましょう。未経験での転職活動は、難易度の低い「医療事務認定実務者」の資格がおすすめです。資格は、医療事務としての必要なスキルを持っていることを証明できるため、就職時や就職後もその資格を活かせます。
医療事務の資格を取得する方法は、独学、専門学校への通学、通信教育などさまざまな方法があります。自分のライフスタイルに合った勉強方法を選びましょう。また、資格取得と一緒に就職先を紹介してくれる場合もあります。
【医療事務認定実務者】
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まとめ
医療事務は、多くの人から感謝されたり、地域や社会に貢献している実感ができたりする仕事です。仕事の幅が広いため覚えることも多く、時には患者さんのクレーム対応も必要できついと感じることもあります。しかし、よりやりがいを感じられる可能性があります。
医療事務は比較的チャレンジしやすい職種といえます。就職を考えている方、医療業界に興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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