IT業界を目指すにあたって、比較的簡単に取得できるITパスポートを取ろうとしている人もいるでしょう。たしかにITパスポートを受験する人はIT業界未経験の人が多いです。ただし、未経験者向けの資格ということもあって就職などには使えるのでしょうか。
そこで今回は、ITパスポートがどんな資格か、どんな内容が出題されるか紹介していきます!
ITパスポート検定とは?
ITパスポートは独立行政法人情報処理推進機構が運営している国家資格です。
情報社会化が進んだことにより、一般層にもITに関する正しい知識が求められるようになったことから、ITに関する常識が出題される試験として平成21年に登場しました。
ITパスポートを受験する人は、IT業界で働いてみたいけれども一切知識が無いという人が中心。
どのような流れでソフトウェアなどのIT関連商品が開発されていくのか、パソコンはどのようなパーツで構成されているのかなど、IT業界に飛び込むにあたって知っておかなければいけない常識を把握するのに良いでしょう。
ITパスポートは国家資格なので履歴書に書けるというのもメリットとしては大きいです。
ITパスポートの試験料
ITパスポートの試験料は5,700円(税込)です。IT関連資格の受験料の中でもITパスポートの受験料はかなり安いと言えるでしょう。
ITパスポートは他のIT関連資格と違って、たくさんある日程の中から自分の都合に合った日を選んで受験することができるので、ある程度受験する日を決めたうえで学習をすすめましょう。
ITパスポートの資格難易度
たくさん存在するIT関連資格の中でもITパスポートの難易度は最も簡単と言われています。出題内容もエンジニアとして働くにあたっては常識となることしか出題されません。
そのため、ITパスポートを持っているからと言って、IT業界への就職が有利になるとは決して言えません。あくまで未経験からIT業界を志望する人がやる気をアピールする手段程度に思っておくのがおすすめです。
万が一IT業界への就職に役立つ資格を取得したいと思っているなら、ITパスポートではなく基本情報技術者試験を受けるのがおすすめです。
ITパスポートの資格・試験内容
ITパスポートの試験内容はストラテジ・テクノロジ・マネジメントの3つの分野で構成されています。それぞれ具体的にどのような内容が出題されるのか見ていきましょう。
ストラテジ
・企業活動
・法務
・経営戦略マネジメント
・技術戦略マネジメント
・ビジネスインダストリ
・システム戦略
・システム企画
ストラテジ分野で出題されるのは、企業と取引をするにあたって知っておきたいIT開発に関わるお金や法律に関することや企業が情報システムを導入する目的などといった内容です。
どちらかというとエンジニアよりはIT系の営業職やIT企業の上層部が知っておきたい内容なので、既に多少IT業界に関する知識がある人がITパスポートを受験する場合はストラテジ分野の学習に力を入れると良いでしょう。
ITパスポートレベルのストラテジ分野で出題される問題は暗記でカバーできる内容が中心です。
そのため、ITパスポートを受験する際のストラテジ分野の対策は、テキストを一周して簡単に内容を覚えてからアプリなどで空き時間に過去問に触れておきましょう。
ストラテジ分野は毎年同じような問題が出題されているので、テキストよりは過去問演習を重視するのがおすすめです。
テクノロジ
・基礎理論
・アルゴリズムとプログラミング
・コンピュータ構成要素
・システム構成要素
・ソフトウェア
・ハードウェア
・ヒューマンインターフェイス
・マルチメディア
・データベース
・ネットワーク
・セキュリティ
テクノロジ分野ではエンジニアとして働く際に知っておかなければいけないPC周りの機器や単位、簡単なプログラミング言語に関する知識などが出題されます。
この分野に関しては半分程度は普段からPCに触れていれば理解できる問題なので、PCを使う作業が得意などといった人は半分程度は軽く触れる程度で良いでしょう。
プログラミング言語に関しても、プログラミングに関する問題ではなく、プログラミング言語が持つ特徴に関する問題が1~2問出題される程度であることから、わざわざプログラミングの学習はする必要がありません。
この分野で時間を割いておきたい分野は、基礎理論・マルチメディア・データベース・ネットワークです。
基礎理論・マルチメディアでは、2進数や画素数に関する計算問題が出題されるので、公式を頭に入れてすぐに答えを導き出せるようにしましょう。
また、データベース・ネットワークに関しては覚えることが多いです。テキストを見てもこの2つのところだけページ数が多いことが多く、しかも本格的にITに関する勉強をしていないと触れることがあまり無い内容なので、勉強中に挫折しないようにしましょう。
ただ、その分出題される問題も多い傾向があり、データベース・ネットワーク分野の学習に力を入れて対策をするのがおすすめです。
マネジメント
・システム開発技術
・ソフトウェア開発管理技術
・プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント
・システム監査
マネジメント分野で出題される内容はプログラマーというよりはシステムエンジニアをはじめ、要件定義・設計など上流工程を担当する人のマネジメントに関する問題が中心です。
ここで出題されるはIT業界で働いてキャリアアップし、リーダーポジションを任された時にかなり役立つので自分の今後のキャリアのためにもしっかり勉強をしておくのがおすすめです。
具体的にはどのような開発モデルがあるのか、チーム開発を行うにあたって人員数をどのように算出するかなどといった問題が出題されます。
こちらも計算問題が出てくるので、暗記するのではなく計算式を理解し、すぐに答えを出せるように練習をしましょう。
ITパスポートの問題例
ITパスポートの試験時間は120分で、この時間内に100問を解かなければいけません。
合格ラインはストラテジ・テクノロジ・マネジメントがそれぞれ1,000点満点中300点以上かつ、3つの分野の合計点が6割以上となっていることが条件となっています。
出題方式は4択なので、答えも4分の1と簡単に思えますが、1問につき72秒で問題を解く必要があり、ITパスポートは正確性だけでなく解くスピードも求められる試験であり、意外とハードと言えるでしょう。
そのため、ITパスポートに合格するには問題演習が鍵となります。そこで、ITパスポートではどんな問題が出題されるのか見てみましょう。
ストラテジ系の問題例
デビットカードに関する記述のうち,最も適切なものはどれか。
ア あらかじめ利用可能金額がカードに記録されている使い切り型の前払い方式
イ 商品購入時に,代金が金融機関の預貯金口座から即時に引き落とされる方式
ウ 商品購入やサービス利用時に提示することによって代金決済ができる後払い方式
エ 入金した金額に達するまで利用でき,繰り返し金額を補充できる前払い方式
こちらの正解はイです。
ちなみにアはプリペイドカード、ウはクレジットカード、エは電子マネーのことを指しています。
テクノロジ系の問題例
複数のコンピュータを連携させ,全体を1台の高性能のコンピュータであるかのように利用する。連携しているコンピュータのどれかに障害が発生した場合には,ほかのコンピュータに処理を肩代わりさせることで,システム全体として処理を停止させないようにするものはどれか。
ア クラスタシステム
イ デュアルシステム
ウ デュプレックスシステム
エ マルチプロセッサシステム
こちらの正解はアです。
詳しくはITパスポートに関して勉強しないと分からないかもしれませんが、イ~エに関する解説は以下の通りです。
デュアルシステム 電力供給などコンピュータを運用するために必要な装置を全て2台用意すること。安全性が高い代わりにコストもかかる。
デュプレックスシステム メインのシステムと予備のシステムを用意しておき、普段はメインシステムを動かして、万が一メインシステムで障害が起こった時に予備のシステムを使う。
マルチプロセッサシステム マルチプロセッサシステムはシステム運用に関わる言葉ではなく、パソコンの性能に影響するCPUの構造に関する言葉です。
ITパスポート以外でプログラマーになる方法
ITパスポートは先ほど解説したように、あくまでIT業界を志望するにあたってやる気をアピールする手段としては良いですが、就活に役立つかと言われるとそうでもありません。
そこでITパスポートを取得する以外にプログラマーを目指すにはどんな方法があるのかチェックしましょう。
就職支援付きのプログラミングスクールに通う
エンジニアになりたくても、通常のプログラミングスクールなら10万円以上必要になってしまうのが難点。
そんな時におすすめなのが無料で通える就職支援付きのプログラミングスクールです。
エンジニアになるために必要なプログラミングなどのスキルが身に着きますし、就職支援も付いているので転職も安心でしょう。
なかでもおすすめなのが、20代のIT業界未経験者を対象としているGEEK JOBです。即戦力となれるだけの技術を身に着けることができるうえに、GEEK JOBなら就職支援もしてくれます。
GEEK JOBでの未経験者の就職率は97%であり、ほぼ全員。そのため、プログラマーになれるか不安な人も安心してIT業界に飛び込めるでしょう。
30代以上は一旦有料コースの料金を支払う必要がありますが、GEEK JOBが紹介する企業に就職すれば無料になります。
そのため、30代以上でできるだけお金をかけずにIT企業を目指したい人にもおすすめです。
未経験者を採用しているSIerに就職する
SIerと言って、ITエンジニアを派遣する会社も未経験者を積極的に募集しています。
SIerに就職するメリットは、一切プログラミングを学んだことが無くても、研修期間中に給料をもらいながらプログラミングを学べる点でしょう。
これに関しては、35歳未満の未経験者を雇用して教育することで助成金が受け取れるシステムが関係しており、大体20代の人の未経験者を募集しているので、SIerでも良いなら就職支援付きのプログラミングスクールに通う前にSIerを検討するのがおすすめです。
ただ、SIerにも差があり、プログラマーどころかテストの仕事ばかりで経験が積めないこともあるので、SIerの求人に応募する際はしっかり企業の口コミをチェックしたうえで応募してください。
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