電子ピアノの購入で「選び方がわからない」「アップライトとの違いは?」「本物に近いタッチの機種はどれ?」などお悩みではないでしょうか?
私は娘が2歳の時に電子ピアノを購入しましたが、実は失敗して5歳の時に買い直しています。実は、最初に選んだ電子ピアノは我が家にとって「買ってはいけないピアノ」だったのです。
電子ピアノは長く使うものですし高価ですから後悔したくないですよね。私のように買い替えが必要になれば余分な手間とお金がかかってしまいます。
そこでこの記事では、買ってはいけない電子ピアノの特徴とアップライトとの違いや買ってよかった電子ピアノを紹介します。
楽器のことは音楽教室に聞くのが一番ですが、実はピアノの先生はグランドピアノやアップライトを使われていますので電子ピアノに関してわからない方が多いです。
情報が少ない分、悩んでいる方も多いと思いますので、私の経験をもとに情報をまとめておきます。
買ってはいけない電子ピアノの特徴
電子ピアノは値段の幅も広く、種類も多いので迷ってしまいますよね。まずは買ってはいけない電子ピアノの特徴をチェックしましょう。
中古の電子ピアノ
中古の電子ピアノはあまりおすすめできません。というのも、中古は故障のリスクが高くなるからです。電子ピアノは電化製品ですから寿命は長くて10年。購入時、すでに寿命に近かったというケースも少なくありません。安くても古すぎるとメーカーに修理の部品が残っていない場合もありますので要注意です。
また、中古電子ピアノを専門に扱うお店ではなく、リサイクルショップやオークションで購入したものは、メンテナンスや状態も怪しいところです。
「ピアノを続けるかわからないから最初は中古で様子をみよう」という方も多いと思いますが、もし中古ピアノを選ぶなら信頼できる専門店で購入しましょう。
鍵盤が軽すぎる
電子ピアノの鍵盤が軽すぎるものは、お子様の今後のピアノ人生に大きな影響を及ぼします。小さなお子様の場合、軽い鍵盤ばかりで練習していると指の力が育まれず、ピアノ教室に行くと「重くて弾けない」というケースが少なくありません。
軽い鍵盤は習い始めのお子様にとって弾きやすさはありますが、ピアノを続けるのであれば長くは使えないのです。
また、グランドピアノやアップライトの鍵盤は電子ピアノより重く、鍵盤のタッチで音色や音を表現できますが、電子ピアノの鍵盤は軽くてどのようなタッチでも同じ音がでます。
指先の微妙なタッチに合わせて表現できる本物のピアノとのギャップが激しいため、どんなに頑張って練習しても限界を感じてしまうでしょう。
お子様のピアノが上達すればするほど、本物のタッチや響きと電子ピアノの差に違和感を感じるようになりますので、軽すぎる鍵盤の電子ピアノはいずれ買い替えが必要になるでしょう。
子供が選んでいないもの
もし5年後もピアノを弾いていて欲しいと思ったら、ピアノ選びはお子様の意見を取り入れましょう。もちろん、予算やサイズなど大人の事情もあります。
しかし、そのピアノを使うのはお子様ですよね。どんなに小さくても自分で選んだという自負は、ピアノに対する気持ちを育んでくれるはず。
私のピアノ選びが失敗した大きな理由は、娘の意見を汲まなかったこと。2歳の娘は、自分が選んだものと違うピアノを買ったことを3歳、4歳、5歳になっても覚えていました。
電子ピアノとはいえ音色は機種により違いますので、耳のいいお子様なら特に気になるところです。「その楽器を誰が弾くか?」ということも大切にして選んでみてください。
電子ピアノとアップライトピアノの違い
次に電子ピアノとアップライトピアノの違いを解説します。
アップライトは生ピアノ・電子ピアノはデジタル
まず、アップライトはグランドピアノと同じく、ハンマーで弦を叩いて音を出す生ピアノ(アコースティックピアノ)です。グランドピアノをコンパクトにしたものがアップライト。グランドピアノと音の響き・音色・鍵盤の弾き心地は違いますが、音を出す基本構造は同じです。
一方で、電子ピアノは録音されたピアノ音を内蔵し、鍵盤を押すとその音が出るデジタル機器。生ピアノとは音色が違います。
電子ピアノとアップライトピアノを比較
電子ピアノもアップライトもメリット・デメリットがあります。それぞれの特徴を表にまとめましたので比較してみてください。
電子ピアノ | アップライト | |
音の基本構造 | 録音した音を内蔵 | 弦を叩いて音を出す |
価格 | 安いものだと5万円〜 | 40万円〜 |
調律・メンテナンス | 不要 | 必要 |
表現力 | 劣る | 良い |
連打性 | 機種による | 1秒間に6〜7回 |
メリット | ・マンションでも使用しやすい・録音機能など機能充実・音量調節できる・ヘッドフォンを使えるので夜の練習も可能・コンパクト | ・コンパクトな生ピアノ・表現性が高い・鍵盤のタッチや音色の変化を楽しめる・コンクールなどの練習にも適する・電源が必要ない |
デメリット | ・電源が必要・響きが劣る・鍵盤が軽い・表現がつけにくい | ・音が響くのでマンションでは厳しい・メンテナンスが必要・引越しが大変 |
電子ピアノは表現力や連打性がアップライトに劣りますが、最近はアコースティックピアノに近い弾き心地を再現した機種も多くなりました。
住宅事情などで「どうしてもアップライトが置けない」という方におすすめできるグランドピアノに近い構造の電子ピアノも登場しています。
電子ピアノは様々な機能を搭載していますので、生ピアノとは違う使い方も可能です。録音もボタン1つでできます。
「音大を目指す」「コンクール上位を狙う」というケースでなければ電子ピアノでも十分でしょう。普段は電子ピアノで、コンクール前になると音楽教室のグランドピアノで練習したりレンタルピアノを利用するという方法もありますよ。
ピアノの先生おすすめの電子ピアノ!買ってよかった電子ピアノとは
ここまで買ってはいけない電子ピアノの特徴やアップライトピアノとの比較など解説しましたが、「電子ピアノ結局どれがいいの?」と悩んでいる方も多いはず。
そこでこの項では、買ってよかったおすすめの電子ピアノをいくつか紹介します。
安い!Donner 電子ピアノDDP-100:48,999円
Donner 「DDP-100」は、グランドピアノの弾き心地を追求し自然なタッチ感を実現したハンマー・アクッション鍵盤を採用。よりアコースティックピアノに近づけるための工夫が施された電子ピアノです。
ピアノ音源は、力強くきらびやかな音と豊かな低音の響きが特長のAWMサンプリングを採用。鍵盤カバー、一体型スタンド、3本ペダル・ユニットを標準装備して4万円台は最強コスパです。
この金額でこの音質とタッチはかなり満足できるのではないでしょうか。
【こんな方におすすめ】
- ピアノを習い始め
- 音大やコンクールを目指さない
- 趣味でピアノを楽しみたい
本物に近いタッチ!KORG コルグ 電子ピアノ 88鍵盤 LP380:68,000円
電子ピアノ部門最優秀賞を受賞したリーズナブルな価格の電子ピアノが揃うコルグ。おすすめは、グランドピアノのタッチを再現した「LP380」です。
リアル・ウェイテッド・ハンマー・アクション3(RH3)鍵盤を採用、低音部では重く高音部では軽い生ピアノのタッチを楽しめます。木製鍵盤なので、ピアノらしい弾き心地になっています。連打生にも優れ、アコースティックピアノとのギャップを埋められる電子ピアノ。
ヘッドフォン端子は2つあり、連打にも対応しています。パソコンやタブレットと接続して演奏音源をデバイスに録音することも可能。オンラインピアノアプリ「Skoove」を3か月無料で受けられる特典付きです。
【こんな方におすすめ】
- ピアノを始めたばかりもしくはこれから
- 価格を抑えたい
- 本物のタッチを再現したものが欲しい
Roland HP702 DRS 電子ピアノ:154,000円
日本の電子ピアノの老舗メーカー「ローランド」。音の立体感や強弱をつけやすい技術力に優れ、本物のピアノのような感覚で弾けます。そんなローランドの中でもリーズナブルなお値段で購入できるのが「HP702 DRS」です。
豊かな音色でこだわりのタッチ、多彩な機能を搭載した本格的なモデル。ピアノ初心者から上級者まで満足できる弾き心地です。スマホとワイヤレスで繋げられます。
【こんな方におすすめ】
- アップライトのような弾き心地が欲しい
- 電子ピアノでも演奏技術を磨きたい
- インテリアに馴染むデザイン性の高いものが欲しい
【Roland HP702 DRS 電子ピアノの詳細はこちら】
ヤマハ ハイブリッドピアノ NU1X:437,800円
アコースティックピアノと同様のタッチを再現した木製鍵盤に最新の音源や精巧なセンサー、音響技術と組み合わせたヤマハのハイブリッドピアノ。
グランドピアノさながらの演奏感と、豊かな表現力を実現しています。本当はアップライトが欲しいけど住宅環境などの事情で設置できない方におすすめ。
グランドピアノと同様の操作性を楽しめます。
【こんな方におすすめ】
- 本格的にピアノを頑張っている
- コンクールを目指す
- 住宅環境事情でアップライトを選べない
失敗しない電子ピアノの選び方
最後に、失敗しない電子ピアノの選び方を紹介します。
メーカーの特徴を知る
まずは電子ピアノの主要メーカーの特徴をチェックしてみましょう。
メーカー名 | 電子ピアノの特徴 |
ヤマハ | 誰もが耳にしたことがある大手楽器メーカー。音楽教室も運営。ヤマハの最高級レベルのグランドピアノの音源を収録。とにかく音質がハイグレード。スタンダードなモデルからハイスペックまで揃う。【ヤマハ電子ピアノ一覧】 |
カシオ | コンパクト設計でリーズナブルな値段が魅力。気軽に楽しめるキーボードから上級者も納得するベヒシュタインの音源を採用したモデルまで展開。本格派の電子ピアノを求めている人にもおすすめ。【カシオ電子ピアノ一覧】 |
カワイ | 独自の響板スピーカーが大迫力。海外でも人気のメーカー。白鍵だけでなく黒鍵も木製はカワイだけ。価格が中級クラスのモデルでも高い音質を実現。【カワイ電子ピアノ一覧】 |
コルグ | デザイン性は高くコスパのいいメーカー。初心者におすすめのモデルを多く展開する。音質もよく強い響きを楽しめる。【コルグ電子ピアノ一覧】 |
ローランド | 日本が誇る老舗楽器メーカー。音の立体感はピカイチ。高いレベルでグランドピアノの音質を再現し、表現力も高い。本格的な電子ピアノを求める方におすすめ。【ローランド電子ピアノ一覧】 |
機種によって音色やタッチは異なりますので参考程度に捉えておいてください。
目的・条件に合わせて決める
電子ピアノを選ぶ前に、環境や条件・目的を書き出して整理しておきましょう。
例えば以下のような状況では選ぶ機種もそれぞれ変わってきます。
目的・条件・環境 | 参考機種 |
子供がピアノを習い始めたばかりで続くかどうかわからないから2年ほど様子を見ていずれアップライトに買い替えるつもりだ。 | アップライトへの買い替え予定なので、様子みでリーズナブルな「KORG コルグ 電子ピアノ」がおすすめ。 |
週に1回30分レッスンの趣味程度でコンクールや音大を目指すつもりは一切ない | 安価な「Donner 電子ピアノDDP-100」か、「KORG コルグ 電子ピアノ」 |
将来音楽の道へと考えている | よりグランドピアノに近いタッチの「ヤマハ ハイブリッドピアノ」 |
お子様の場合「ピアノが続くかどうか?」がわからないため中古でも…と考える方は多いのですが、最近は先述したように、性能がいい電子ピアノもかなりやすくなりました。
ピアノが続くかどうかは親御さんの協力が不可欠ですし、ピアノが嫌にならないためにもできるだけ本物のピアノ鍵盤と同じタッチを求めましょう。
目的や条件を明確にして、優先順位をつけておくと選びやすくなります。
メーカーや値段は参考程度に
電子ピアノを選ぶ時、メーカー名を重視しがちですがあまり関係ありません。
一番重要なのは、鍵盤のタッチと音質です。耳がいいお子様はピッチが合わないこともありますので、必ず確認しておきましょう。
予算の範囲内でより本物のピアノに近いタッチと音を選ぶことを意識してください。
まとめ
この記事では買ってはいけない電子ピアノの特徴とおすすめ機種の紹介、選び方を解説しました。最近の電子ピアノはとても質が高くなり、グランドピアノのタッチと音質をリアルに再現したタイプも登場しています。お子様に選ぶときは、5年後もピアノを続けている可能性が少しでもあるなら木製鍵盤でアコースティックピアノに近いタッチを選ぶといいでしょう。
この記事を参考にあなたに最適な電子ピアノを見つけてみてくださいね。