「コンテンツマーケティングって具体的にどういうもの?」「コンテンツマーケティングの新しいアイデアが欲しい」
このように考える担当者は多いのではないでしょうか?
コンテンツマーケティングをうまく使いこなすには、成功事例から学ぶのが一番早い。コンテンツマーケティングをどのように駆使して利益を出しているのか、成功しているのか様々な企業の事例をチェックしてみましょう。
この記事では、コンテンツマーケティングの成功企業の中でも面白い手法を取り入れた企業を国内&海外から6選ご紹介します。
新しいアイデアが欲しい担当者はぜひチェックしておきましょう。
コンテンツマーケティングの事例:日本国内編
早速、コンテンツマーケティングに成功した日本企業の事例をご紹介します。
企業により、TwitterやInstagramなどのSNS、Facebook、オウンドメディアやYouTube、外部メディアを使って様々なマーケティング手法を使っています。
自社でも活用できる方法がないかチェックしてみましょう!
BtoC:Suumo タウン(不動産)
SUUMOといえば、家探しで1度はお世話になった方も多いのではないでしょうか?SUUMOタウンはご存知の通り、株式会社リクルート住まいカンパニーが運営する不動産情報サイトです。SUUMOタウンは、はてなブログが提供するコンテンツマーケティングサービスはてなブログMediaとタッグを組み、街に特化した記事を投稿しています。
SUUMOタウンの特徴は、誰かの心にグッと刺さるようなコンテンツを配信しているところです。誰にでも共感されるようなコンテンツではなく、読者が「自分のために記事だ」と思えるようなものが多く、読み物として面白いものになっています。
読んだユーザーは、「この記事面白い!誰かに教えたい」と思い、拡散しますので、SNSからの流入も獲得!2019年12月には「わたしの好きな街――独断と偏愛の東京」として書籍化されています。
家探しに関しての直接的な誘導は記事内になく、SUUMOのバナーが記事下にさりげなくあるだけ。それでも、ユーザーがいつか家探しをする時、SUUMOを選ぶ可能性が高くなるでしょう。
BtoB:バックオフィスを効率化freee!
会計ソフトや人事労務を効率化するバックオフィスサービスのfreeeは、コーポレートサートで会計や労務に関わる情報や基礎知識を発信しているサイトです。
「確定申告」というビックワードで4位、「e-tax」でも上位をキープしています。
この他にもオウンドメディアの経営ハッカーや、YouTube、Twitter、Facebookで有料記事や情報を発信。特にyoutubeでの動画コンテンツを積極的に利用しかなり力を入れています。
会計や労務の情報は、記事ではわかりにくい部分が多いため、アニメーションなどを使い、視覚的に説明することで読者の理解を深めています。
経営ハッカーでは、一見freeeには関係のない情報も見られますが、将来的に顧客になりうる層に響くキーワードを記事に反映しています。
ここ最近の副業ブームを受け、確定申告前には会計に関する情報を求めるユーザーが増えています。freeeは、情報鮮度が落ちにくく優良記事が多いため、ユーザー同士で拡散されることも多いです。
長期的に見て「会計ソフトが欲しい」と思った時にfreeeを選ぶことを狙っていて、其れがうまくはまった成功企業となっています。
BtoB:成功事例の常連!サイボウズ式
BtoB企業のコンテンツマーケティング成功事例として、様々なメディアで取り上げられるサイボウズ。サイボウズは、グループウェアの国内シェア率NO.1の企業ですが、コンテンツマーケティングにおいても成功企業として注目を浴びています。
サイボウズが運営するオウンドメディア「サイボウズ式」は、製品の紹介をするサイトではありません。「世界中のチームワーク向上に貢献する」を目的に様々なトピックでコンテンツを作成しています。
メインターゲットのビジネスマンに響く、ビジネス系の高品質な記事が目立ちます。
例えば、生き方・働き方というカテゴリでは、
「ぼくは休み方がわからなかった──働きすぎて燃え尽きた医師が気づいた、頑張りと休みの関係」という題名で皮膚科医のコラムを掲載、読み物として面白いコンテンツが多数あります。
サイボウズ式は、2012年の立ち上げから2年後の2014年には、20万PVを突破。
質の高い記事が多いため、ソーシャルで話題になり、広く拡散されてアクセスが集まっています。地道にコツコツコンテンツを投入し、現在も集客数を伸ばすメディアです。
サイボウズ式は、コラムニストやブロガーからの寄稿も多く、かなりのアクセス数を稼いでいます。
社外のリソースもうまく活用し、すでに影響力を持ったブロガーの力を借りることで、ソーシャルでの拡散もしやすくなっています。
サイボウズ式では、読者と関係性を深めることが目的ですから、製品やサービスの話は一切ありません。まずはメディアを通じて、サイボウズを知ってもらう。それが、ビジネスにつながると考えています。
製品を直接PRしないサイボウズ式のようなコンテンツマーケティング手法は、企業認知度のアップに非常に効果的です。
食品業界:コンテンツマーケティング成功事例
食品業界は、コンテンツマーケティングと非常に相性がいい業種です。
グルメコンテンツは、幅広い年齢層から常に高い関心がありますし、バズりやすいのも魅力的。もちろん、多くの食品業界がオウンドメディアを運営していますから、競争も激しいのですが、独自のコンテンツを打ち出していけば検索上位や、SNSでの拡散も期待できます。
YouTubeやInstagramでも人気が出やすいグルメコンテンツは、更新ネタに困ることがありません。写真や動画のインパクトもつけやすいので、サイトのアクセス数アップに効果的です。
ここで食品業界のコンテンツマーケティング成功事例をいくつかご紹介します。
【SAPPORO OVER QUALITY(サッポロ オーバークオリティ)】
SAPPORO OVER QUALITYは、サッポロビール株式会社が運営する、オウンドメディアです。ビールやお酒に関する地域情報や、キャンペーンを掲載しています。
北海道の情報発信や酒類事業の成長を目的としたメディアですが、現在はエリアを広げ日本全国の美味しいもの発見サイトとして人気です。
美味しそうな写真や魅力的なお店の紹介など、掲載コンテンツは、消費者の心に届きやすく、見ているだけでサッポロビールが飲みたくなるようなものばかり。
サイトを見てお店に出かけたユーザーは、サッポロビールを注文する確率も高くなります。
商品に関する知識や関心を高め、実際に購入する場面で最初に想起してもらえるようにする手法です。
【接待の手土産】
レストラン、宴会予約で有名なぐるなびが運営するオウンドメディア接待の手土産は、ターゲットを30代〜40代、取引先や上司へ渡す手土産を探している層に絞っているのが特徴です。
目的は、ぐるなび加盟店のお取り寄せの販売促進。写真が綺麗で上品な印象なので見ているだけで購買意欲をそそるサイトになっています。
接待の手土産という斬新な切り口が、手土産で悩む主婦層にもうけています。
また、現役秘書が選ぶ手土産という権威性が信頼感を呼び、ここで選べば間違いないという印象を強くしています。サイトへの安心感からリピート率も高く、獲得した顧客を逃がさない戦略が成功しています。
コンテンツマーケティングの事例:海外アメリカ編
米Salesforceによると、アメリカの72%の購買者は、購入前に事前にGoogleで商品の情報を検索して検討するといいます。
アメリカは同じ国内でも、移動に時間を要したり時差の関係で対面営業が非効率ですから、WEBを駆使したサービスが主流となっています。Skypeやウェビナーを使った営業はもはや常識です。
その背景から、アメリカでは日本より数年前も先にコンテンツマーケティングが注目され、活発化しています。
現在はBtoB企業の9割以上が、新規顧客確保や既存顧客といい関係性を築くため、コンテンツマーケティングの手法を取り入れているのです。
ここで、アメリカのコンテンツマーケティングの成功事例をご紹介します。
オフィシャルスポーツグッズのECサイト【Fanatics】
ファナティクスは、MLB、NFLなど米国スポーツや世界中300以上のチームやリーグのオフィシャルグッズを展開する会社です。
自社ECサイトの新規顧客の獲得や既存顧客の販売促進などを目的に、コンテンツマーケティング会社Fractlと連携してスポーツファンに向けたコンテンツを制作しました。
スポーツの歴史や、最新の試合、トレンド情報など、様々な記事を投稿しファンを獲得。
やがて記事は、USA Today・Yahoo Sportsなどのメディアに取り上げられ、ランキングキーワードは230%増加に成功しています。
コンテンツマーケティングで王道の手法ですが、爆発的にアクセスが上がり下がるのも早いトレンド記事と、長く読まれる記事をバランスよく投入することで、WEBサイトの評価を高めています。
American Express(アメリカンエキスプレス)
American Expressは、言わずと知れた世界中に顧客を持つクレジットカード発行元の企業です。American Expressが運営するOPEN Forumは、企業向けコーポレートカードの加入促進を目的に、経営者に向けたコンテンツを発信しているメディアです。
Top Storyには、経営者の成功までのサクセスストーリーを掲載し、経営者を奮起させるような内容が盛り込まれています。また、ビジネスに役立つ情報や、経営者じゃなくても知りたい記事「11 Easy Ways to Finally Overcome Your Fear of Public Speaking」がバズリ、多くの人にシェアされました。
OPEN Forum内には、American Expressへの誘導があまり見当たりません。直接的な契約には結びつきませんが、読者がいずれコーポレートカードを必要とした時、American Expressを選んでもらえるかもしれないというユーザーの動きを狙っています。
また、American Expressは、顧客となる得るビジネスマン(ウーマン)を取り込むためにメディアやSNSで積極的にコンテンツを発信しています。
(Twitterは約88万フォロワー、Facebookは約790万フォロワー、Instagramは約32万)
カードをFacebookやTwitterと同期して「#AmexWholeFoods」で投稿した顧客には、いいねやフォローしたブランドやショップの買い物時に得点を受けられるキャンペーンも話題を呼びました。Instagramではアメックスのカード写真を投稿するインスタグラマーが多く、広告費をかけずにステータスを主張できる宣伝戦略にも繋がっています。
内容はビジネスに特化したものが多く、一見、American Expressとは何の関係もなさそうな情報ばかりです。しかし、しっかりとターゲット層が求めるコンテンツを提供し、見込み客を育てることに成功しています。
このように、短絡的な利益にはつながりませんが、長期的に見込み客との関係性を築き、信頼を獲得することで結果的に顧客獲得へと結びついているのです。
まとめ
この記事では、国内&海外のコンテンツマーケティング成功事例をご紹介しました。
日本ではまだまだ認識が浅いコンテンツマーケティングですが、今後ますます活発化する手法です。
潜在顧客が利用するプラットフォームで、有益なコンテンツを提供することで大きな効果を期待できます。顧客がどのような生活を送り、何に悩んでいるか、思考や行動を深く理解することがコンテンツマーケティングを成功させるキーポイントです。
成功事例をチェックすれば、自社に活用できそうな活用法を学べますので、この記事でご紹介した企業のメディア戦略をじっくり確認してみてください。
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