ゆうちょ銀行で法人口座の開設を検討している方は、メリットやデメリットについて詳しく知りたいと考えていませんか。
ゆうちょ銀行の法人口座は比較的開設しやすいといわれているので、どのような点で他行より優れているのか気になりますよね。
そこで今回は、ゆうちょ銀行の法人口座を開設する際のメリット・デメリットをはじめ、審査落ちの原因や必要書類、手数料を詳しく解説します。
問い合わせ場所や開設窓口など、実際の手続きに役立つ情報も多数紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
《ゆうちょ銀行の法人口座概要(ゆうちょBizダイレクト利用時)》
口座開設にかかる期間 | 1ヶ月程度 |
借入限度額 | 1口座につき300万円まで |
振込手数料 | 当行への振込:39円〜66円他行への振込:220円〜440円 |
口座維持費 | 月額550円(初回のみ契約料5,500円) |
Web完結 | 不可 |
ゆうちょ銀行の法人口座を開設するメリット
ゆうちょ銀行での法人口座開設は、メガバンク(資産が1兆ドルを超える事業規模の大きい銀行)と比較すると審査がそれほど厳しくないといわれています。
審査に通過しやすい点も魅力の一つですが、実際に口座を開設すれば以下のメリットも得られます。
- ネットバンキングが利用できる
- 振込手数料が低い
- 全国で利用できる場所が多い
ネットバンキングが利用できる
ゆうちょ銀行で法人口座を開設すると「ゆうちょBizダイレクト」でネットバンキングが利用できます。
入出金照会や送金・振込がWeb上の操作で行えるので、法人の資金管理に大いに役立つでしょう。
また、ゆうちょBizダイレクトの強みは月額使用料の低さです。一般的な銀行の場合、ネットバンキングの月額使用料は2,000円前後が相場となっています。
しかし、ゆうちょBizダイレクトは5,500円の契約料が必要になるものの、その後は月額550円で利用可能です。
長期的にコストを抑えながらネットバンキングを利用できる点は、ゆうちょ銀行ならではの魅力といえるでしょう。
振込手数料が低い
振込手数料の低さも、ゆうちょ銀行で法人口座を開設するメリットです。
ゆうちょ銀行の振込手数料は一般的な銀行よりも低めに設定されているので、振込を頻繁に行う法人の方はお得に利用できます。
どれくらいお得になるのか、よく利用されているメガバンクとゆうちょ銀行の振込手数料を比較してみましょう。
金融機関 | 三井住友銀行 | みずほ銀行 | ゆうちょ銀行 |
当行振込 | 110円~440円 | 220円〜440円 | 39円〜66円 |
他行振込 | 275円~550円 | 490円〜660円 | 220円〜440円 |
特に、当行宛での振込はゆうちょ銀行の手数料が圧倒的に低く、他行宛でも220円〜270円ほどお得なのがわかります。
振込手数料を少しでも低くしたい法人の方には、ゆうちょ銀行の法人口座がおすすめです。
全国で利用できる場所が多い
ゆうちょ銀行は全国に多数の支店を構えているので、身近な場所で利用できます。というのも、ゆうちょ銀行は郵便局の利点を活かし、地域に根差した事業を行っているためです。
全国にまんべんなく支店がありますから、すぐに利用できる窓口があるのは心強いでしょう。地方の法人であればなおさらです。
また、全国規模で利用者の多いゆうちょ銀行は顧客にとっても利便性が高く、振込に利用してもらいやすいメリットもあります。
ゆうちょ銀行の法人口座を開設するデメリット
ゆうちょ銀行の法人口座を開設する際には、以下のようなデメリットに注意してください。
- 預金の限度額が低い
- ネットバンキングの利用に初期費用がかかる
- ネット銀行よリは手数料が高め
口座開設の前には、デメリットの内容もしっかり確認したうえで慎重に検討しましょう。
預金の限度額が低い
ゆうちょ銀行のデメリットとしてまず挙げられるのが、預金限度額の低さです。
ゆうちょ銀行では預金できる上限額が1,300万円と決まっているので、それ以上の金額は口座に入金できません。
そのため、大口の取引が多い法人の方にとっては、心許なく感じてしまう可能性があります。
限度額の上限が気になるものの、ゆうちょ銀行の手堅さや知名度が捨てがたい方は、メイン口座と用途を分けて運用してみるのも一つの方法です。
ネットバンキングの利用に初期費用がかかる
前述で紹介した通り、ゆうちょ銀行のネットバンキング「ゆうちょBizダイレクト」は、初期費用として5,500円の契約料がかかります。
決して低い金額ではないうえ、一時的に出費が増えてしまうので、利用に踏み切る際には多少抵抗を持つ方もいるでしょう。
とはいえ、その後は月額550円で便利なサービスが利用でき、業務効率の向上を図れるため、十分に契約する価値はあるといえます。
ネット銀行よりは手数料が高め
ゆうちょ銀行の手数料は、ネット銀行に比べてやや高い傾向にあります。
というのも、ネット銀行はWeb完結契約の導入によって店舗の運営費や人件費を抑え、低手数料での取引を可能にしているためです。
対面での契約が基本となるゆうちょ銀行の法人口座がネット銀行のようなコストカットを行うのは、現実的に困難といえるでしょう。
しかし、ゆうちょ銀行の知名度と信用力は大きな強みです。堅実性を重視して法人口座を選びたい方には、ゆうちょ銀行がおすすめです。
ゆうちょ銀行の法人口座を開設できない!審査落ちにつながる注意点
ゆうちょ銀行でいざ法人口座を開設しようと申し込んだとしても、審査落ちしてしまっては意味がありません。
比較的に審査が易しいとされるゆうちょ銀行ですが、以下の点に当てはまると審査落ちにつながる可能性があるので、よく確認しておきましょう。
- 事業内容が不明確
- 資本金が少ない
- 所在地がバーチャルオフィスになっている
事業内容が不明確
事業内容が不明確な際は、ゆうちょ銀行の法人口座を開設できない可能性があります。事業目的や内容が定まっていない法人は、信頼性に欠けると判断されやすいからです。
法人口座は個人口座と異なり、取引頻度が高く、取り扱う金額も大きい傾向にあります。
そのため、事業内容が不明確な状態で口座開設に申し込んだとしても、ゆうちょ銀行からトラブルにつながるリスクを懸念されるでしょう。
信頼性の高い法人と印象付けるためには、事業計画書を提出するだけでなく、予算や見込まれる利益も含めてしっかり説明するようにしてください。
資本金が少ない
資本金が少ない場合も審査落ちにつながりやすいので要注意です。
資本金は事業を運営するための元手となるため、あまりに金額が少なすぎると事業に本気で取り組む姿勢が伝わりません。
何かあればすぐに廃業する恐れがあり、銀行側から警戒されてしまうでしょう。
審査をスムーズにパスしたい方は、資本金を100万円ほど用意しておくと熱意が伝わりやすくなります。
100万円用意するのが厳しい方は、少なくとも50万円以上用意してから申し込むようにしてみてください。
所在地がバーチャルオフィスになっている
法人の所在地がバーチャルオフィスになっている場合は、審査落ちしやすくなるでしょう。
最近は法人口座を犯罪に利用する詐欺集団の存在もあり、銀行側は法人の所在地を重要視するためです。
バーチャルオフィスは業者から会社の所在地を借りているだけに過ぎず、実際の事業実態は不透明になりやすい傾向にあります。
そのため、真っ当な事業を営む法人であるかを判断しにくく、安全性を不安視される要因になるでしょう。
小さな事業所でも構わないので、建物が実在する所在地で申し込むようにしてください。
ゆうちょ銀行以外!法人口座開設はどこで?おすすめ3選
ゆうちょ銀行で口座の開設を検討している方には、以下の法人口座もおすすめです。
- GMOあおぞらネット銀行
- 住信SBIネット銀行
- 楽天銀行
口座開設までの待ち時間が短く、Webから申し込めるため、スムーズに手続きが完了します。維持費もかからないので、手軽に法人口座を開設したい方はぜひ参考にしてみてください。
GMOあおぞらネット銀行
出典:GMOあおぞらネット銀行
「GMOあおぞらネット銀行」は、早さと安さに優れたおすすめの法人口座です。口座開設が最短即日で可能なほか、他行への振込が145円と低手数料で利用できます。
ネット銀行系の法人口座でも、最短即日で口座開設できる業者は少ないので、お急ぎの方はGMOあおぞらネット銀行を利用するとよいでしょう。
また、設立から1年未満であれば、他行振込でも最大12ヶ月間は振込手数料がかかりません。
3ヶ月以上の取引実績を証明できれば口座開設に申し込めるため、事業を立ち上げて間もない方はぜひ検討してみてください。
口座開設にかかる期間 | 最短即日 |
借入限度額 | 1,000万円 |
振込手数料 | 毎月20回まで無料(※) 当行への振込:無料 他行への振込:一律145円(振込料金とくとく会員(月額500円)は129円) |
口座維持費 | 無料 |
Web完結 | 可 |
※口座開設月の翌々月までです。ただし、設立1年未満の法人は設立から12ヶ月間です。
住信SBIネット銀行
出典:住信SBIネット銀行
他行との取引が多い法人の方には「住信SBIネット銀行」がおすすめです。住信SBIネット銀行は固定手数料を採用しておらず、件数に応じて振込手数料が減額されます。
元々の手数料も145円と良心的ですが、さらに50回以上の振込で130円までコストの引き下げが可能。
5回以上の振込から割引が適用されるため、取引が少ない月でもお得感を味わえます。また、最短翌営業日で口座開設が可能なので、必要なときにすぐ利用できるのも嬉しい点です。
口座開設にかかる期間 | 最短翌営業日 |
借入限度額 | 50万円~3,000万円 |
振込手数料 | 口座開設月と翌月は10回/月まで無料 当行への振込:無料 他行への振込:5回未満145円、5回以上140円、20回以上135円、50回以上130円 |
口座維持費 | 無料 |
Web完結 | 可 |
楽天銀行
出典:楽天銀行
借入限度額に余裕のある法人口座を選びたい方は「楽天銀行」を選ぶとよいでしょう。楽天銀行の限度額は1億円と高額なので、大口取引の多い法人でも活用の幅が広がります。
また、知名度も資力も高いため、銀行の地盤が緩む心配もなく、長期的に安心して利用できるはずです。
口座開設後にはJCBデビットカードが審査なしで作れて、利用すると金額に応じて1.0%のキャッシュバックが受けられるサービスも。
法人カードの作成も検討している方は、ぜひ楽天銀行を利用してみてください。
口座開設にかかる期間 | 約2週間 |
借入限度額 | 100万円〜1億円 |
振込手数料 | 当行への振込:52円〜 他行への振込:150円〜229円 |
口座維持費 | 無料 |
Web完結 | 可 |
ゆうちょ銀行法人口座に関するよくある質問
ここでは、ゆうちょ銀行の法人口座を開設する際によくある質問をまとめて紹介します。
- ゆうちょ銀行の法人口座を開設するための必要書類は?
- ゆうちょ銀行の法人口座開設に手数料はかかる?
- ゆうちょ銀行の法人口座開設に関する問い合わせ先はどこ?
ゆうちょ銀行での口座開設を検討している方は、事前に確認しておくと安心です。
Q1.ゆうちょ銀行の法人口座を開設するための必要書類は?
ゆうちょ銀行の法人口座を開設するためには、以下の書類を全て揃えてから申し込みましょう。
- 法人の履歴事項全部証明書(原本)(※1,2)
- 本人確認書類(運転免許証等、顔写真付きの証明書類)
- ご来店者と法人の関係を証する書類(委任状等)
- 法人番号が確認できる書類(法人番号通知書等)
- 法人の印鑑証明書(原本)(※1)
- 実質的支配者が確認できる書類(株主名簿・出資者名簿など)
- 財務状況が確認できる書類(決算書類等、法人形態により異なります)
- 所轄税務署あての法人設立届出書(控)(※3)
※1:発行日から6か月以内のものが有効です。
※2:支店又は事業所名等で口座開設する場合は、履歴事項全部証明書に加え、支店または事業所等の住所を確認できる書類(会社の組織図や公共料金等の領収書等)が必要です。
※3:設立後6ヶ月以内の法人に限ります。
一部引用:口座開設時の本人確認書類-ゆうちょ銀行
必要書類の詳細はゆうちょ銀行の公式サイトにも記載されているので、あわせてチェックしてみてください。
Q2.ゆうちょ銀行の法人口座開設に手数料はかかる?
ゆうちょ銀行の法人口座を開設する際に、手数料はかかりません。無料で気軽に開設できます。
ただし、口座開設の際には審査があるので、先ほど紹介した審査落ちの原因をよく確認しておきましょう。
Q3.ゆうちょ銀行の法人口座開設に関する問い合わせ先はどこ?
ゆうちょ銀行の法人口座開設に関する問い合わせ先は、公式サイトで以下のように記載されています。
ゆうちょ銀行の法人・事業者向けの商品・サービスの内容・利用方法についてのご相談・お問い合わせは、お客さまの事業所と同じ都道府県にあるゆうちょ銀行支店・店舗の法人サービス部で承っております。
引用:お問い合わせ|ゆうちょ銀行
法人サービス部の連絡先は「法人サービス部一覧」から調べられます。問い合わせ先がわからない場合は、法人サービス部一覧を参考にしてみてください。
まとめ
ゆうちょ銀行で法人口座の開設を検討している方は、メリットとデメリットをよく確認してから申し込むようにしてください。
また、審査落ちしないようにするためには資本金を多めに用意し、面談時に事業目的をしっかり伝えましょう。
法人口座の開設先をまだ迷っている方は、先ほど紹介したおすすめのネット銀行もぜひ候補に加えてみてください。
コメントを書く