口と脇で体温が違うのは実は当たり前!正確に測るなら口がおすすめ

口と脇で体温が違うのは実は当たり前!正確に測るなら口がおすすめ

自宅にある体温計で、口と脇それぞれで測った経験はありませんか?口と脇では測定結果が1度以上異なることもあり、「どちらの体温を信じるべきか」「口と脇ではどちらが正確なのか」が気になりますよね。

この記事では、コロナ禍をきっかけに体温計マニアになった私が、口と脇で体温が違う理由や正しい検温方法、オススメの体温計をご紹介します。

体温計メーカーのテルモ株式会社が行った調査によると、体温計を正しく使えている人は全体の3割程度しかいませんでした。(*) 残りの7割にならないよう、この記事をしっかりチェックしてくださいね。

*:発見!体温を正しく測れている人は少ない?|テルモ株式会社

口と脇で体温が違う理由とは

口と脇で体温が違う理由は、人間の体は部位によって平熱が異なり、それにあわせて使用する体温計も異なるからです。詳しく見ていきましょう。

部位によって平熱が異なる

口と脇で体温が違うのは、部位によって平熱が異なるから。体温は体の中心部に近づくほど高くなり、かつ安定しています。

体内が常に一定の温度に保たれているのは、脳や心臓などの臓器を正しく機能させるためです。この安定した体内の温度を「中核温」といいます。

一方、体の表面や末端など外気にさらされている部分の温度は、周囲の環境に左右されやすいです。外気に触れる面積や体の中心部との距離も、温度に影響を与えます。

例えば手足が冷えやすいのは、外気に触れる面積が広く体の中心部から離れているから。口と脇では、外気に触れる面積や体の中心部との距離が異なるので、平熱も異なるというわけです。

部位によって使う体温計が異なる

体温計の中には、特定の部位にしか使用できないものもあるため、温度が異なるのです。

まず電子体温計には、測定した温度をそのまま表示する「実測式」と、分析・演算で体温を算出する「予測式」の2種類の測定方法があります。

予測式では、測定する部位によって異なる計算式で分析・演算します。つまり、口専用の体温計を脇に使用しても、正確な体温の予測はできません。同じ体温計を使っても口と脇で結果が異なるのは、そのためです。

体温を測るなら口と脇ではどちらが正確?

結論からいうと、口のほうが脇よりも正確に体温を測れます。脇は汗をかいたり外気の影響を受けたりして、温度が安定しないからです。個人差はあるものの、口と脇では測定結果が1度以上異なることもあります。

一般的に直腸・耳・口・脇の順で温度が高く、中核温に近いといわれています。正確性という点で、脇は他の部位よりも劣っているといえるでしょう。

しかし直腸や耳、口での測定だと、汚れや細菌が気になる人もいるのではないでしょうか。家族と体温計を共有するのにも、抵抗がありますよね。脇には、他の部位と比べて手軽に測定できるという大きなメリットがあります。

熱があるかどうかだけを把握したいときは脇で測り、基礎体温の測定や感染症対策など正確性が求められるときは口で測るなど、目的に応じて測定する部位を使い分けるのがおすすめです。

正しく体温を測る方法

ここからは、口と脇で体温が違うことを踏まえて、正しい検温方法を学んでいきましょう。

検温する部位に合わせた体温計を使用する

上述したとおり、予測式の体温計では測定する部位によって異なる計算式を使用します。口には口専用の、脇には脇専用の体温計を使用しましょう

一方、計算式を使わない実測式なら、口でも脇でも正確な体温を測れます。しかし、感温部(体温計の先端)の温度が口や脇の温度と同じになるまで待たなければならず、測定に5〜10分程度かかるというデメリットもあります。

実測式と予測式の違いをまとめると、次の表のとおりです。予測式体温計の中には、実測式体温計として使えるものもあるので、自分が使っている体温計を一度確認してみましょう。


測定方法測定時間測定部位による違い
実測式測定部位の温度をそのまま表示する5〜10分程度どの部位でも使える
予測式実測式で測る5〜10分後の体温を分析・演算で予測する15秒〜1分程度専用の体温計を使う必要がある

食後や入浴後、運動後、起床直後は避ける

食後や入浴後、運動後、起床直後は、体温が上昇しているタイミングです。少なくとも30分以上、時間をあけてから測定しましょう。

もし入浴後や運動後に脇で測定するときは、汗や水に注意してください。完全防水ではない体温計の場合、故障につながり、正しい温度が測定できなくなってしまうかもしれません。

また毎日体温を測るなら、これらのタイミングを避けたうえで、いつも同じ時間に測定するようにしましょう。健康な状態であっても、人間の体温は1日の中で約1度変化しているからです。

一般的に、人の体温は朝から夕方にかけて徐々に上昇していくため、朝と夕方にそれぞれ測った体温を比較しても、体調管理できているとはいえないでしょう。

体温計そのものの温度を適切に保つ

体温計自体の温度が変化していると、正確に検温できません。例えば、同じ体温計を連続で使用すると、前回測定した際の熱が体温計に残っている影響で体温が低く表示される場合があります。

また冬は、体温計本体が室温より冷えていることもあり、実際の体温よりも高く表示されてしまいます。正しく測定するためにも、部屋に30分ほど置いて室温に馴染ませてから使用してください。

普段の保管場所も、急激な温度変化のある場所や高温多湿、直射日光の当たる場所などは避けましょう。感温部に負担がかかり、故障の原因となります。

脇専用のおすすめの体温計

脇で体温を測るメリットは、手軽さです。体温計が直接粘膜に触れず、口で測るときほど衛生面を気にする必要がありません。ここでは、その手軽さをさらに活かすため、測定時間の短い体温計をセレクトしました。

オムロン けんおんくん MC-688

引用元:amazon.co.jp

『オムロン』のMC-688なら、最短15秒で体温を測れます。忙しい朝の検温や、じっとしていられない幼児の検温に適した体温計です。

しかも5〜10分以上測定を続けると、自動的に予測式から実測式に切り替わります。つまり脇専用の予測式体温計でありながら、実測式の口・脇兼用体温計としても使用できるのです。一家に一台置いておきたい商品といえます。

販売価格:2,055円(2021.4.12時点)

オムロン けんおんくん MC-688はこちら

ドリテック やわらかタッチ体温計 TO-200

引用元:amazon.co.jp

『ドリテック』のTO-200の特徴は、先端が柔らかいことです。体型に関係なく、脇にフィットした状態で検温できます。肌への負担も少なく、かつ測定時間も30秒と短いので、赤ちゃんや幼児の検温にもおすすめです。

さらに体温が約37.8度以上の場合、通常とは異なるブザー音でお知らせしてくれます。熱があるかどうかを素早く把握できて便利でしょう。

販売価格:1,000円(2021.4.12時点)

ドリテック やわらかタッチ体温計 TO-200はこちら

口専用のおすすめの体温計

脇よりも正確に体温を測れる口専用の体温計は、女性の基礎体温の測定によく使われますが、もちろん男性も問題なく使用できるので安心してくださいね。今回は、毎日の体調把握に役立つ機能のある体温計を選びました。

オムロン 婦人用電子体温計 MC-652LC

引用元:amazon.co.jp

『オムロン』のMC-652LCの測定時間は、なんと10秒!慌ただしい朝でもすぐに体温を測れます。Bluetoothでスマートフォンのアプリにデータを転送すれば、毎日の体温の変化をグラフで把握可能です。

さらにケースから取り出すだけで電源がオンになる機能や、測り忘れ防止のアラーム機能などもあります。毎日検温を続けるための工夫が数多く施された体温計です。

販売価格:3,790円(2021.4.12時点)

オムロン 婦人用電子体温計 MC-652LCはこちら

TDK 婦人用電子体温計 HT-301

引用元:amazon.co.jp

『TDK』のHT-301は、ボタンひとつでスマートフォンのアプリに測定データを転送できる機能が搭載されています。連携アプリの数も多く、データを送れるアプリは「ルナルナ」を含む6種類。

しかも、体温計本体にも7回分のデータが保存されるので、データ転送は1週間に1回でもOK!「体温の記録をつけたいけど、三日坊主になってしまう」という人に、ぜひ使ってほしい体温計です。

販売価格:2,970円(2021.4.12時点)

TDK 婦人用電子体温計 HT-301はこちら

まとめ

今回は、口と脇で体温が異なる理由や正しい検温方法について解説しました。

正確に体温を測りたいなら、脇よりも口で測るのがおすすめです。しかし口の検温には、衛生面の問題もあります。熱があるかどうか調べるだけなら、脇の検温でも十分でしょう。

どちらで測るとしても、体温計は部位に合ったものを選んでくださいね。体温を適切に把握して、日々の体調管理に役立てましょう。

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