「法人口座開設を断られる理由は?」
「法人口座を作れないとどうなる?」
法人口座開設を検討する際に、このような疑問が浮かぶ事業者の方も多いのではないでしょうか。
法人口座を開設する際の審査は、個人口座よりも厳しめなので、申し込む際には重視されるポイントを押さえておかなければなりません。
そこで今回は、法人口座開設を断られる理由や、口座を作れない場合にどのような影響があるのかを詳しく解説します。
再申し込みの際に見直すポイントについても、法人口座を開設したい方はぜひ参考にしてみてください。
【全滅】法人口座開設を断られる!作れないとどうなる?

法人口座を作れない場合は、事業経営において以下のような影響があります。
- 社会的な信用を得にくい
- 財務状況が把握しにくくなる
- 融資の審査で不利になる
法人口座を持っていなくても事業経営は可能ですが、不便を感じる点が多くなるので、詳細をよく確認しておきましょう。
社会的な信用を得にくい
法人口座の開設を断られる事業者は、社会的な信用を得るのが難しい傾向にあります。理由は、法人口座開設の審査は一般的に厳しいとされているためです。
厳しい審査を通過した業者は信用力の高い法人として認知されやすくなりますが、逆に法人口座を持たない事業者は信用力を評価されにくいでしょう。
法人間での取引においても信用力は重視されるポイントとなるので、法人口座を持たない事業者は取引上でも不利になる可能性があります。
財務状況が把握しにくくなる
法人口座を持たない場合は事業の財務状況が把握しづらいので、経理業務の負担が増えてしまいます。
個人口座で事業取引を行った場合、財務状況を把握するためには私的な取引と事業取引を区別する作業を行わなければなりません。
そのため、余計な作業が増え、業務効率が上がらない原因につながるでしょう。
融資の審査で不利になる
法人口座を開設しない場合、融資の際にも不便を感じる可能性があります。先ほどお伝えした通り、法人口座を持っていない事業者は社会的な信用を得にくい点が要因です。
法人であるにも関わらず法人口座を開設していない事業者は、審査に通過できないような問題を抱えているのではないかと不安視されやすくなるでしょう。
金融機関は、基本的に信用性の高い事業者でなければ融資してくれません。そのため、法人口座を開設していない事業者は、審査において不利になる可能性があります。
【全滅】法人口座開設を断られる理由とは?!審査落ち・作れない理由

法人口座開設を断られる理由として挙げられるのが、不正利用の可能性があると判断されるケースです。
近年では、マネーロンダリングの目的で法人口座を悪用する犯罪組織が増加しており、銀行側も警戒を強めています。
マネーロンダリングとは、詐欺等で不正に入手したお金を一度口座に入金して出所をわからなくする手口です。
銀行側は、口座の不正利用を防ぐ目的で審査基準を厳しく設けており、信頼性を裏付ける要素のない事業者には簡単に口座を開設してくれません。
実態が不明確な法人やペーパーカンパニー(登記のみで事業を行わない法人)の疑いがあるとみなされれば、審査落ちしてしまうでしょう。
特に、以下の点に当てはまるものがあれば、法人口座開設を断られる可能性が高いといえます。
- 資本金が少ない
- 代表者の信用情報に傷がついている
- バーチャルオフィスを利用している
資本金が少ない
資本金が少なすぎると、法人口座開設を断られるでしょう。資本金は事業に対する熱量を表す指針として重視される傾向があるためです。
資本金があまりにも少なすぎる場合、法人格を取得するためだけのペーパーカンパニーである可能性を疑われる要因になります。
資本金が100万円以上あれば堅実な事業者として認めてもらいやすくなるので、法人口座を開設する際には資本金の額に注意してください。
代表者の信用情報に傷がついている
法人の代表者の信用情報に傷がついている場合も要注意です。代表者は法人の指揮をとる人物なので、お金にルーズな面があると審査落ちにつながります。
信用情報は金融機関で共有されているため、法人の代表者に延滞や滞納の履歴が残っていれば口座開設を断られるでしょう。
滞納・延滞の情報は、完済日から5年間は残ります。代表者の信用情報に傷がついている場合は口座開設の時期を延期するか、代表者を交代して対処してください。
バーチャルオフィスを利用している
バーチャルオフィスを利用している法人が口座開設の審査に通過するのは困難といえます。
なぜなら、バーチャルオフィスは特定の事務所を持たずに所在地を得られるため、犯罪目的で利用されやすい傾向にあるためです。
法人の所在地がバーチャルオフィスになっている場合は、銀行側からリスク要因として警戒される可能性があると理解しておきましょう。
法人の信用性を高めたい場合は、建物のある事業拠点を作っておいてください。
審査のゆるい銀行はある?法人口座開設を断られるならココがおすすめ

法人口座開設の際に、なるべく審査に通過しやすい銀行を探している方には、以下のネット銀行がおすすめです。
- GMOあおぞらネット銀行
- 住信SBIネット銀行
- 楽天銀行
- PayPay銀行
ネット銀行でも審査はもちろんありますが、一般的な地方銀行と比較すると審査は優しい傾向にあります。
口座開設までのスピードも早く、Web上で手続きできるので、予定に左右されにくい点もポイントです。開設する法人口座がまだ決まっていない方は、ぜひ参考にしてみてください。
GMOあおぞらネット銀行

出典:GMOあおぞらネット銀行
申し込みから口座開設までのスピードで選びたい方には「GMOあおぞらネット銀行」がおすすめです。
GMOあおぞらネット銀行は、申し込みから最短即日で法人口座開設が可能なうえ、WEB完結で契約できます。
多くの法人口座が設立から2年以上を申し込み条件としているなか、1年未満でも事業実績があれば申し込みできる点は、同社の大きな強みといえるでしょう。
早く法人口座を開設したい方は、GMOあおぞらネット銀行に申し込んでみてください。
| 口座開設にかかる期間 | 最短即日 |
| 借入限度額 | 1,000万円 |
| 振込手数料 | 毎月20回まで無料(※) 当行への振込:無料 他行への振込:一律145円(振込料金とくとく会員(月額500円)は129円) |
| 口座維持費 | 無料 |
| WEB完結 | 可 |
※口座開設月の翌々月までです。ただし、設立1年未満の法人は設立から12ヶ月間です。
住信SBIネット銀行

出典:住信SBIネット銀行
振込手数料の低さで法人口座を選びたい方には「住信SBIネット銀行」がおすすめです。
住信SBIネット銀行では振込優遇プログラムが適用されるため、振込件数が一定に達すると手数料が下がる仕組みになっています。
他行宛の振込でも最大で130円まで引き下げ可能なので、振込件数が多い法人の方はコストを抑えながら取引することが可能です。
本人確認を行えば、スマホから免許証のみで申し込める必要書類の少なさも魅力。書類の準備が面倒な方でも利用しやすいでしょう。
| 口座開設にかかる期間 | 最短翌営業日 |
| 借入限度額 | 50万円~3,000万円 |
| 振込手数料 | 口座開設月と翌月は10回/月まで無料 当行への振込:無料 他行への振込:5回未満145円、5回以上140円、20回以上135円、50回以上130円 |
| 口座維持費 | 無料 |
| WEB完結 | 可 |
楽天銀行

出典:楽天銀行
楽天グループのサービス利用頻度が高い方は「楽天銀行」を選ぶとよいでしょう。楽天関連の提携サービスで優遇を受けやすくなり、コストの削減につながります。
また、法人口座を開設するとJCBのビジネスデビットカードに審査なしで申し込めて、利用すると1.0%の高還元を受けられる点も魅力です。
クレジットカードの還元率は0.5%ほどが相場なので、2倍お得に利用できます。楽天銀行で法人口座を開設する際は、忘れずに申し込むようにしましょう。
| 口座開設にかかる期間 | 約2週間 |
| 借入限度額 | 100万円〜1億円 |
| 振込手数料 | 当行への振込:52円〜 他行への振込:150円〜229円 |
| 口座維持費 | 無料 |
| WEB完結 | 可 |
PayPay銀行

出典:PayPay銀行
「PayPay銀行」は、設立から半年以上の事業実績があれば口座開設の申し込みが可能です。新規開設の場合、160円の他行振込が翌々月までひと月あたり10回無料で利用できます。
PayPay銀行のビジネスアプリをインストールすると、スマホから簡単に取引明細の確認や振込手続きを行えるため、事業資金の管理も簡単です。
また、1つのアカウントで20口座まで開設可能。目的に合わせて口座を分けて利用できます。
それぞれの口座に権限を設定できるので、複数人で法人口座を運用したい場合にもおすすめです。
| 口座開設にかかる期間 | 最短3日〜10日程度 |
| 借入限度額 | 500万円 |
| 振込手数料 | 毎月1回無料当行への振込:55円 他行への振込:160円(※) |
| 口座維持費 | 無料 |
| WEB完結 | 可 |
※口座開設の翌々月までは、ひと月10回まで無料です。
法人口座開設を断られる!再申し込みの前に見直すべきポイント

法人口座開設を再申し込みする際には、以下の点を見直しておきましょう。
- 法人の公式サイトを開設しているか
- 事業目的が明確であるか
- 固定電話を設置しているか
細かい点にはなりますが、法人の信頼性を審査する際にポイントとなる項目なので、よく確認しておくと安心です。
法人の公式サイトを開設しているか
法人口座開設に再申し込みをする際には、法人の公式サイトを開設しておきましょう。
公式サイトを作成する際には時間や費用がかかるため、不正利用の目的で口座開設を目論む犯罪組織はわざわざサイトを用意しないからです。
また、銀行側にとっても、法人の情報を開示できない要因があると不安視されやすくなるでしょう。
反対に、公式サイトがあれば所在地や連絡先の情報も取得でき、銀行にとって大きな安心要素になります。
少しでも法人の信頼性を高めたいなら、公式サイトは必ず開設するようにしてください。
事業目的が明確であるか
法人口座を開設したいときは、事業目的を明確にしておくのも重要なポイントです。
銀行が警戒しているのは法人口座を犯罪に利用する人物なので、目的が明確であるほど信用を得られやすくなるでしょう。
どのような事業で口座をどのように運用したいのか、事業計画書を用いながら、なるべく細かく伝えるよう心がけてみてください。
また、担当者から事業に関する質問を受けた際には、明確に返答しましょう。
固定電話を設置しているか
再申し込みの成功率をあげるために、事業所内に固定電話を設置してみてください。
連絡先が携帯電話になっていると、不正利用のリスクや音信不通になる可能性を不安視されやすくなります。
その点、固定電話の番号は簡単に変えられないうえ、電波状況にも左右されません。審査の際に懸念材料となる要素がないので、スムーズに通過しやすくなるでしょう。
法人口座開設断られるQ&A
審査がゆるい法人口座はどこですか?
「審査がゆるい」と明確に公表している金融機関はありませんが、一般的にメガバンクや地方銀行に比べて、ネット銀行は法人口座の審査が比較的柔軟な傾向にあると言われています。
これは、ネット銀行がスタートアップ企業や個人事業主の事業用口座を主要な顧客ターゲットとしているためです。特に、創業間もない企業や資本金が少ない企業でも口座開設しやすいと評判です。
具体的な銀行としては、以下のネット銀行が挙げられます。
- GMOあおぞらネット銀行: 最短で当日中の口座開設が可能であるなど、スピーディーな対応が魅力です。
- 住信SBIネット銀行: オンラインでの申し込みであれば、代表者の運転免許証だけで手続きが完了することもあり、必要書類が少ない点が特徴です。
- PayPay銀行: スマホでの申し込みから審査までが完結し、手軽に手続きを進められます。
- 楽天銀行: 多くの利用者がいる大手ネット銀行で、比較的審査が柔軟であるとされています。
これらの銀行は、バーチャルオフィスを利用している場合や固定電話がない場合でも、柔軟に対応してくれるケースがあるようです。
法人口座開設のNG例は?
法人口座の開設審査に落ちる主なNG例は、銀行に「実態のない会社(ペーパーカンパニー)」や「不正利用のリスクがある会社」と判断される場合です。
具体的なNG例は以下の通りです。
- 提出書類の不備: 登記簿謄本や印鑑証明書の有効期限切れ、記載内容の誤りなど、書類に不備があると審査以前に手続きが進みません。
- 事業の実態が不明瞭:
- 事業内容が多岐にわたりすぎていたり、曖昧であったりする。
- 事業計画書やウェブサイトなど、事業内容を証明する資料がない。
- 事務所の住所がバーチャルオフィスであり、事業の実態を確認できない。
- 代表者の信用性が低い:
- 代表者個人の信用情報に問題がある(過去に自己破産や債務整理の履歴があるなど)。
- 代表者が反社会的勢力と関係があると疑われる。
- 資本金が極端に少ない:
- 法律上は資本金1円から会社を設立できますが、極端に少ない資本金は事業の実態がないと疑われる要因になります。
- 事業所の住所と登記住所が一致しない:
- 登記上の住所と、実際に事業を営んでいる場所が異なると、実態のない会社と判断されることがあります。
審査落ちを防ぐためには、事業の実態を明確に示し、提出書類を完璧に準備することが最も重要です。また、口座開設の目的を具体的に説明できるように準備しておきましょう。
法人口座開設は厳しいですか?
法人口座の開設審査は、個人の口座開設と比べて厳しいと言えます。特に、メガバンクではその傾向が顕著です。
厳しさの背景には、金融機関がマネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与などの不正利用を防止するという役割を担っていることがあります。そのため、口座を開設する企業が実体のある事業を行っており、不正な目的で利用される可能性がないかを厳格に審査します。
具体的にチェックされる項目は以下の通りです。
- 事業の実態があるか: 事務所の存在、事業内容の具体性、事業計画の妥当性など。
- 代表者の信用性: 代表者個人の信用情報、過去の金融取引履歴など。
- 設立目的の妥当性: 会社設立の経緯や目的が明確であるか。
しかし、審査基準は金融機関によって異なります。メガバンクが最も厳しい傾向にあり、地方銀行や信用金庫、そしてネット銀行の順に審査が柔軟になることが多いです。
特に、ネット銀行はスタートアップ企業や個人事業主向けのサービスに力を入れているため、比較的審査が通りやすいと言われています。
法人口座をメガバンクに作れないのはなぜですか?
法人口座をメガバンクで作れない主な理由は、メガバンクの厳格な審査基準にあります。
メガバンクは、多くの大企業や既存の顧客を抱えているため、口座開設の不正利用リスクを極力排除したいと考えています。そのため、特に以下のような企業は、審査で不利になることが多いです。
- 設立したばかりの会社:
- 事業の実績がないため、事業の実態があるかを判断するのが難しいとされます。
- 会社の目的や代表者の信用性だけで判断しなければならないため、より厳格に審査されます。
- 資本金が少ない会社:
- 法律上は資本金1円から会社を設立できますが、事業を継続するだけの資金力がないと判断されることがあります。
- 事業の実態が見えにくい会社:
- ウェブサイトがない、事務所がバーチャルオフィスである、事業内容が曖昧、といった場合、「ペーパーカンパニーではないか」と疑われる可能性があります。
- 固定電話番号がない会社:
- 固定電話番号は事業の信頼性を示す一つの要素と見なされることがあり、携帯電話番号のみの場合は不利に働くことがあります。
これらの要素は、不正な目的で設立された会社の特徴と重なることがあるため、メガバンクは慎重にならざるを得ません。
一方で、ネット銀行は、これらの企業をターゲットとしているため、審査基準が異なり、口座開設しやすい傾向にあります。
銀行口座開設できない個人の理由は?
銀行口座の開設は、誰でも気軽にできると思われがちですが、犯罪や不正防止の観点から、審査が厳格になってきています。
以下のいずれかに該当する場合、口座開設を断られる可能性があります。
- 本人確認書類の不備・不足
- 氏名、住所、生年月日などの情報が、本人確認書類と申込書で一致しない場合。
- 本人確認書類の有効期限が切れている場合。
- 申込者の顔写真付きの本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)がない場合。
- 口座開設の目的が不明瞭・不自然
- 口座開設の目的を尋ねられた際に、曖昧な回答しかできない場合。
- 居住地や勤務地から遠く離れた銀行で口座を開設しようとする場合。
- 複数の銀行で短期間に多数の口座を開設しようとする場合。
- 家族や友人など、本人以外の名義での口座開設を試みる場合。
- 本人に問題がある場合
- 犯罪行為や不正取引に利用されるリスクがあると判断される場合。
- 過去に反社会的勢力に属していた経歴がある場合。
- 既にその銀行で別の口座を持っており、追加の口座開設の理由が不透明な場合。
金融機関は、法律に基づき、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与を防止するための確認を義務付けられています。
そのため、少しでも不審な点があれば、口座開設を拒否することがあります。
口座開設をスムーズに行うためには、事前に必要書類を完璧に準備し、口座開設の目的を明確に答えられるようにしておくことが重要です。
まとめ
法人口座開設を断られるのが心配な方は、審査落ちにつながる原因をよく確認して、銀行から信頼を得られる経営体制を整えておいてください。
事業目的や所在地、連絡先を明確にして、真っ当な事業を行っている点をしっかりアピールしてみましょう。
審査に通過できる確率を上げたい方や振込手数料を抑えたい方は、先ほど紹介した4つのネット銀行から検討するのがおすすめです。
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