コンテンツマーケティングにこれから取り組もうとしている、またはすでに導入している方の中には、コンテンツマーケティングの市場規模や今後の動向が気になっている方も多いのではないでしょうか?
SNSやyoutubeなどの動画、最近では音声コンテンツの市場が拡大しつつある中、コンテンツマーケティングのはどう変化していくのか、またどう対応していくべきなのか。
日々成長していくマーケットの中での向き合い方に、強い関心を寄せている企業も少なくありません。
そこでこの記事では、世界中で市場規模が拡大するコンテンツマーケティングの市場規模と今後はどうなっていくのか?について解説していきます。
「コンテンツマーケティングって本当に流行っているのか?」
「効果が出ているのか?」といった疑問をお持ちの方もぜひ市場規模を確認して、コンテンツマーケティング導入の検討材料にお役立てください。
コンテンツマーケティングの市場規模:日本
2014年ごろから耳にするようになったコンテンツマーケティングですが、今やマーケティングの主流として、なくてはならない存在です。コンテンツマーケティングは、様々なマーケティング手法を合わせていますので、1つの市場としての統計はありません。
そこで、コンテンツマーケティングに欠かせない4つの手法の市場規模から、コンテンツマーケティング全体の市場規模を考察していきます。
SEO市場の規模
コンテンツマーケティングに欠かせないSEO市場は、Googleなどの検索エンジンのアルゴリズムが日々進化している影響で、手法も時代に伴い変化し続けています。
以前までは、被リンクの多さで順位アップを狙え、中古ドメインを購入し自分のサイトへリンクを向けるブラックハットという手法も横行しました。また、2013〜2018年までは、文章量の多さで順位アップが狙えるなどSEO対策はそこまで難しいものではありませんでした。
しかし、2020年以降は、ブラックハットは効果が持続できなくなり、コンテンツの内容をより重視するようになりました。さらに、企業ドメインや公式サイト、専門家監修のサイトが上位表示されやすくなったり、アフィリエイトや一般ブロガーのブログはコンテンツがしっかりしていても順位が下がるようになっているのです。
Googleのアルゴリズムは日々進化し、昔に比べて上位表示できる手法がかなり難しくなっています。そのため、SEO対策をプロに任せる会社が増加しています。
少し前のデータになりますが、クロスフィニティ株式会社が2016年に発表した「SEO市場規模予測2014-2018」によれば、2014年365億円を突破した市場規模は、2017年462億円、2018年には500億円に達し、成長の一途をたどっています。
多くの企業が上位表示できるSEO対策に注力しているということは、コンテンツマーケティング市場の拡大が影響していると考えて間違いないでしょう。
業務外注化サービス・アウトソーシング市場規模
近年、オウンドメディアを運営する企業も増加し、コンテンツ制作やアクセス解析・ツールの導入などのアウトソーシング化が加速しています。
コンテンツマーケティングに取り組む企業が増えたことで、ランサーズなどのクラウドワークスの活用も増加。コンテンツ制作を内製化できない企業がライティングなどの業務を外注化する流れも定着してきました。
同時に、コロナ過で在宅ワークが注目され、ライター数も増加。コンテンツマーケティングでは、読者に有益な情報を提供するコンテンツが必要ですから、コンテンツマーケティングに参入する企業が増えると同時に、ライターへの案件が増加したことも関係しています。
矢野経済研究所のクラウドソーシングサービス市場の調査結果によれば、クラウドソーシングの市場規模は、2016年度の950億円から、2020年度には2,950億円を突破すると予測されています。
中小企業庁が発表した「日本国内におけるクラウドソーシングの現状」を確認してみましょう。
出典:中小企業庁
上記の表のように、クラウドソーシングサイトに登録している会員数の推移は、13年に急増しています。
さらに、クラウドソーシンツサイトで個人(非事業者)が受注する仕事の内容に関しては、ライティング関連が51.6%となっています。
出典:中小企業庁
ライターは未経験でも個人が始めやすい仕事です。コンテンツマーケティングを導入する企業が増え、ライター案件が増加し仕事を受注しやすくなっているのも、クラウドソーシングの市場規模拡大につながります。
インターネット広告市場の規模
2021年2月のレポートReport Oceanが発表した新しいレポートによれば、世界のデジタル広告市場の収益が2026年までに6,088億ドルに達すると予測。
世界のインターネット広告市場規模は2019年に3,190億ドルと評価され、2020年から2027年までに17.2%のCAGRを記録し、2027年までに1兆8,900億ドルに達すると予測されています。
スマホの普及やソーシャルメディアの拡大で、インターネット広告費の増加、市場も拡大しています。
コロナの影響が拍車をかけ、デジタル化を推進する動きが強まったことから、市場をさらに後押ししているのも要因です。
また、コンテンツマーケティングとインターネット広告の相性は非常に良いのも、市場拡大に一役買っています。
というのも、コンテンツマーケティングでは、コンテンツと潜在顧客の接点を増やす目的でSNS広告やリスティング広告を活用する企業が増えているからです。
サイバーエージェントが2020年に実施した「2020年国内動画広告の市場調査」では、2020年動画広告市場は、2954億円(前年比114%)に達する見通しです。
出典:サイバーエージェント
2021年には、3889億円、4年後の2024年には6,856億円に達する見込みと言いますから、動画広告だけ見ても市場拡大スピードは相当な早さで進んでいます。これは、インターネット広告の2割を占め、今後さらに拡大していくことが予測されています。
SNSマーケティングの市場規模
株式会社サイバー・バズと株式会社デジタルインファクトが共同調査を実施した結果、国内のソーシャルメディアマーケティング市場は、前年比107%、市場規模が5,519億円となる見通しを発表しました。
【市場動向調査】2020年のソーシャルメディアマーケティング市場は5,519億円、前年比107%の見通し。2025年には2020年比約2倍、1兆1,171億円規模に。
出典:サイバーバズ
ユーザーの消費行動に大きな影響を与えるソーシャルメディアは、商品やサービスを購入し決済するサービスも普及しています。導入企業が増加しているコンテンツマーケティングでは、ユーザーとの接点を増やすためSNSを活用することが多く、インフルエンサーを使ったマーケティングも規模は317億円(前年比5.8%)と、どんどん拡大しつつあります。
2025年には、現在の2倍、1兆1,047億円まで成長するという予測もあり、今後景気が回復しても、成長が加速する市場です。
コンテンツマーケティングの市場規模:アメリカ
日本より10年も前にコンテンツマーケティングがスタートしているアメリカでは、約9割の企業がコンテンツマーケティングを導入していると言います。
アメリカのコンテンツマーケティング業界団体のCMIが2014年に発表したデータによると、米国のBtoC企業の7割以上が前年よりも自社サイトのコンテンツを増加させると答えています。さらに、6割の企業がコンテンツマーケティングの予算を増加すると回答しています。
PQ Media発表のグローバル・コンテンツマーケティング予測2017のデータでは、その市場規模は、120億ドル!なんと、約1.3兆円です。
2021年までに240億ドルまで拡大すると予測されており、日本とは比べ物にならないくらい大きな市場規模になっています。
コンテンツマーケティング今後の動き・傾向
コロナ過の影響で多くの業界が損失を出す中、大きな成長を続けているコンテンツマーケティング市場。今後の動向や傾向はどうなっていくのでしょうか。
伸び続けるコンテンツマーケティング市場
2021年以降、今後さらにコンテンツマーケティングへ投資する企業が増えていくことでしょう。コンテンツ制作では、新しいプラットフォームやチャンネルが増え、マーケティング手法も増加傾向にあります。
ユーザーのSNS依存はさらに進み、消費者個人の影響力も高まっていくでしょう。インフルエンサーを活用したマーケティングは、大きく広まっていきます。
インフルエンサーマーケティングの市場はより拡大する
株式会社デジタルインファクトが実施した市場調査では、2018年のインフルエンサーマーケティング市場は219億円、そのわずか5年後の2023年には500億を突破すると予測されています。
インフルエンサーマーケティングの市場規模、2018年は219億円と推定、2028年には933億円に
さらに5年後の、2028年には933億円と予測。コンテンツマーケティングでは、インフルエンサーを活用したコンテンツ制作や、寄稿などで効率的なリーチ獲得を期待できるでしょう。
さらにインフルエンサーマーケティングを効果的に実施する新技術やサービス、新たなプラットフォームの登場で、コンテンツマーケティングを絡めた需要もますます拡大するとしています。
TikTokなどの新しいチャンネルも増えていくことが予想され、今後もインフルエンサーを起用したマーケティング活動は、増加していくことでしょう。
動画市場の必要性も高まる
2020年92%のマーケターが「動画がマーケティング戦略の重要な一部である」と述べています。5Gの普及や各携帯キャリア会社の値下げにより、今後も動画コンテンツや動画広告市場は、高い水準で拡大していくことが予想されます。特にモバイル向け動画が高い比率を占めていくでしょう。
コロナ過の影響もあり、消費者が動画に触れる時間も増えていますので、動画広告市場が伸長していくことは確実です。コンテンツマーケティングのコンテンツも動画へ投資していく企業が増加することが予想されています。
まとめ
この記事では、コンテンツマーケティングの市場規模を日本、アメリカに分けて解説しました。
コンテンツマーケティングは日本だけではなく、世界的に見ても大きな市場であり、今後もさらに拡大していくことが予測されています。
動画コンテンツやインフルエンサーマーケティング市場も拡大し、ますますコンテンツマーケティングに注力する企業が増えていくことでしょう。
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