企業面接では、「学業で力を入れたこと」をよく聞かれます。
しかし、大学生の中には
- 正直アルバイトやサークルで忙しくて正直勉強はあまりやってこなかった
- ゼミに入っていなくてあまり専門的な勉強をしてこなかった
など、何を話せばよいか困っている人もいるのではないでしょうか。
「大学時代に頑張ったこと」は割とすぐに出てきても、正直「学業で力を入れたこと」に答えるのは、余程真面目に大学生活を送っていない限り難しいですよね。
ただ、学業をしっかり頑張った人はもちろん、そうでない人も自分の学生生活を振り返ってみれば、頑張ったことが見つかるはずです。そこで本記事では、文系大学生向けに、学業で力を入れたことに対する答え方について解説します。
文系向け『学業で力を入れたこと』を聞かれる理由
企業が学業で力を入れたことについて質問するのには、しっかり学生の本文である勉強を怠らなかったか以外にも理由があります。これについて聞かれる理由を理解し、相手がどんな答えを求めているのかを把握しましょう。
物事に取り組む姿勢を見ている
学業への取り組み方から、その人の仕事への取り組み方も見えてきます。
大学では定期考査に向けて勉強をする必要があるでしょう。自分でゴール地点を決めて、それに向けて計画を立てて勉強していれば、スケジュール管理がしっかりできる人と判断できます。
期限を決めて何をすればよいのか考え、計画的に物事に取り組む姿勢は社会人になってからも大切です。学業にどのように取り組んだのかは、社会人として働くにあたって真摯に取り組める人材かどうかを企業が判断するための材料となるでしょう。
過去の経験や人柄を知るため
学業で力を入れたことについて聞くのは、その人が何を学んできたのか、真面目に学業に取り組んできたか、その人がどんな考え方を持っているのかを知るという目的もあります。
特に文系は、理系と違って研究室に入る機会が少なく、どれだけ学業に取り組んできたか実績を表すのが難しいため、評価されにくいのが実情。
そのため、就活生が大学時代に何を専門的に学び、どんなスキル・知識を身に着けているのか把握する目的で、企業は学業で力を入れたことについて質問するのです。
また、学業で力を入れたことを聞くのは、その人の人間性を知る目的もあります。学業の中でもなぜこの分野を選んだのか、どんな風にその分野に力を入れたのか掘り下げていけば、その人がどんなことに興味を持っているのか、どんな経験をしてきたのかもわかるからです。
企業がどんな人材を求めているかを理解し、それに合わせて自分が学業で力を入れたことを話しましょう。
文系向け『学業で力を入れたこと』を伝えるポイント
いくら学業を頑張って、いい結果を残していたとしても、企業の採用担当者にしっかり伝わらなければ意味がありません。それでは、学業で力を入れたことを伝える際のポイントを確認しましょう。
簡潔的に伝える
一文を短くしてわかりやすい言葉を使うよう意識して、簡潔に話しましょう。できれば一文一義が理想です。一文一義とは、一つの文に二つ以上の意味を持たせないという意味です。
文を切らずに長々と話していると、話を整理しにくく、相手にも何について話しているのか伝わらなくなってしまいます。
一文一義の大きなメリットは、句点ごとに間ができることです。文章を短く区切ると、次の文章を話し始めるまでに、情報を頭に入れる時間ができます。よって一つ一つの情報をしっかり面接官に伝えられるのです。
数字を入れて定量的に伝える
どれくらい頑張ったかを相手にわかりやすく伝える手段が数字です。人によって「頑張った」の度合いは異なるでしょう。
例えば大学4年間で英語の勉強を頑張ったとします。この場合、ただ英語を頑張っただけでなく、1年生の頃はTOEICのスコアが400台だったのが4年で700台になったなど、目で見てわかるような情報を伝えるのが重要です。
TOEICはスコアである程度その人の英語力がわかります。そのため、採用担当の人もどれくらいの英語力からスタートして、4年間でどれくらいまで英語力を伸ばせたのか把握できるでしょう。
このように、力を入れたことを伝える場合は、数字で定量化して相手にわかりやすく伝えましょう。
文章構成はPREP法
PREP法とは、
P oint…結論
R eason…理由
E xample…具体例
P oint
という順で文章を構成するフレームワークを言います。わかりやすい文章を作るための定番の技法であり、話す際も、履歴書を書く際もPREP法を用いるのがおすすめです。
PREP法の強みは「結論を先に話す」です。話の長い人の話を聞いていて、「結局何が言いたいのかわからない」と感じた経験は無いでしょうか。PREP法なら最初に結論を話すので、自分の主張が相手に伝わりやすいのです。
文系向け『学業で力を入れたこと』の例文
それでは、実際に文系の人が学業で力を入れたことを面接で話す際はどのように伝えればよいのでしょうか。2つのケースでの例文を紹介するので、面接対策の参考にしてください。
英語の勉強をに力を入れた場合
私が大学4年間で力を入れたことは英語の学習です。
進路選択の段階では、まだ大学でやりたいことが明確に決まっておらず、文系で就職先の選択肢が広そうな経済学部に進学しました。そのため、進学してすぐの頃はあまり経済に関してそれほど興味を持てませんでした。
これに危機感を持って、本格的に英語の勉強に取り組み始めたのが大学1年の夏です。英語の勉強を始めたのは、どんな職に就くにしても英語のスキルが役に立つと思ったためです。ただ、元々英語には苦手意識を持っており、センター試験は半分ほど点を取れればいい方で、大学1年の頃に初めて受けたTOEICも400点台でした。
そこから、毎日2時間、忙しい日は最低1時間学習時間を確保して勉強を続けました。特に始めたばかりの頃は、とにかく問題が解けず、毎日の勉強が苦痛だったのを覚えています。ただ、2ヶ月ほど毎日勉強を続けていると、英語勉強も生活の一部になっていきます。その効果もあってか、TOEICのスコアも、大学2年で600、大学3年で750と着実に伸ばすことができました。
英語学習に継続して取り組んで着実にスコアを伸ばせた経験を得られたのが、私としては特に大きな成果だったと思っています。また、TOEICの勉強を通して、英語の文章を読む機会が増えました。それにより、様々な国の経済情勢についても知れて、最終的に進学した学部の勉強も楽しんで取り組めるようになりました。
社会人になってからは仕事を最優先にしたうえで、英語の勉強時間も確保し、TOEICのスコアアップも目指したいです。
ゼミの活動を頑張った場合(法学部)
私が学業で頑張ったことは「ゼミ」です。ゼミではメンバーと議論する機会が多く、論点を整理して話すことを重視して取り組んでいました。
私は知的財産法のゼミに所属しており、「日本が抱える知的財産権における課題」について研究していました。
この題材を研究課題にしたのは、好きなアニメのタイトルが海外で勝手に商標登録されているということを知ったのがきっかけです。アニメのタイトルだけでなく、日本の様々な文化や商品が海外に流出しており、これらを守るには何ができるのかと思い、日本の知的財産が抱える課題について研究をしていました。
日本における知的財産法の歴史は他の法学分野と比べて浅く、判例も少ないのが実情です。そのため、ゼミでは判例がない事例をゼミのメンバーと議論していました。
私は幼い頃から人前で話すことに苦手意識がありました。緊張して伝えたい内容を伝えられずに自分の発言時間を終えてしまったり、話しているうちにだんだん論点が逸れてしまったりする場面が多々ありました。そこで先輩から「結論を最初に話すだけで話の内容が伝わりやすくなる」というアドバイスをもらいました。
「結論を最初に話す」を意識して議論に取り組むようになってから、話のゴール地点を最初に頭に入れたうえで意見する癖が付いたと思っています。ゼミでの議論の改善をきっかけに、アルバイトでの後輩の指導で話がわかりやすいと言われるようになったり、ゼミのグループセッションの進行を任さた際には、「進行がわかりやすい」と先生から褒めていただけたりしたおかげで、自信にも繋がりました。
「論点を整理して話す」「結論から話す」という姿勢は、社会人として仕事をスムーズに進めるうえでも重要だと思っています。御社に入社した際も、ゼミで学んだことを活かし、会議などで活躍できる存在になりたいです。
まとめ
文系だとアルバイトと遊びがメインの学生生活を送っていて、「大学時代」ではなく「学業で」力を入れたことを聞かれると困ってしまう人は少なくありません。しかし、資格の取得など学部の勉強以外にも視野を広げてみれば、頑張ったことが見えてくるでしょう。
ただ、頑張ったことを洗い出しても、情報をわかりやすく整理しないとどれくらい頑張ったのか面接官には伝わりません。ここで紹介したように、PREP法を用いたり、数字を使ったりして、自分の大学4年間の頑張りが伝わるようにアピールしましょう。
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